今、建設会社は忙しいと前田裕幸氏
2020年東京オリンピックの開催決定により東京都内や関東圏の地域では、インフラ設備の新設・改修が相次いでおり、建設会社の業務は繁忙を極めております。
東日本大震災からの復興需要も旺盛であること、折からのアベノミクスの経済効果もあり景気動向は上向きつつあることから、建設会社の人手不足感はかなりのものがあるとされ、人手不足を解消していくためには、まだかなりの時間を要するといわれています。
建設会社の仕事を回していくためには、会社自体に解決を委ねていくのではなく、もはや社会全体でこの状況を打破していくことを真剣に考えていかねばならない時期にきているのではないでしょうか。
建設にかかわる仕事というと、実際にどのようなイメージがあるでしょうか。
一般的には3Kという言葉に代表されるように、きつい、汚い、危険というイメージで表現されてしまうのではないでしょうか。
建設の業界に付きまとうイメージですと、男性的な部分、ブルーカラーワーカーといった表現で表されるように、ホワイトカラー・背広組といったイメージからは対極の業種として取り扱われているといっても過言ではありません。
こういったイメージを払しょくしていかないことには、高卒や大卒での人材確保という面でもおぼつかなくなりますから、まずはイメージ戦略の変革という方策も求められているといえます。
実際に建設業界を取り巻く労働環境は大きく変革しているといえますし、たとえば設計管理の部門においては、CADでの図面作東に代表されるような相当な技術やパソコンのスキルが必要とされていますし、きつい・汚い・危険といったイメージからはかけ離れた頭脳的な労働者といった感があるのです。
新卒採用であれば、ジョブローテーションというものがあり、まずは建設の最前線である現場に配属し、建設業に何たるかを学んでもらうという原則は存在するとは思うのですが、希望することにより、早期に花形部門とされる設計管理への異動が実現することもありうるのです。
また土木建設部門等においては公共工事の部門を担うことでもあり、市町村や都道府県、ひいては国土交通省といった国の機関、公の機関の方々の接触も多くなっていきます。
公共工事は社会的責任が大きくやりがいがある
公の仕事に従事する方々との接触は、すなわち社会貢献に直結することにもなるのです。
こういった仕事に従事できることは、建設業界に従事したものにしかわからない充足感を味わうことができるのではないでしょうか。
また公共工事に従事するということは、取り扱う金額が大きくなることから、それだけ社会的責任が大きくなること、また会社としては利益を出すことが求められているわけでして、きちんとした積数計算、工期管理、工事原価管理の徹底により検査合格、工事代金入金に至るまで一連の流れとして緻密な工事施工管理能力が問われてくるのです。
こういった仕事は一流の工事管理者に求められる分野ではありますが、一朝一夕に獲得できる能力ではありません。
やはり長い時間をかけて、上司から学ぶこと、あるいは外部に研修派遣されることにより獲得できるノウハウだといえそうです。
前田裕幸社長曰く、建設業界に就職するうえでのメリット、それは多種多様な資格を会社の経費で取得できることも挙げられるのではないでしょうか。
特殊車両の運転技術や、危険物の取扱作業主任者等の資格取得は建設業ならではの資格であり、ある意味、建設業業界を渡り歩くようなことになっても、どの会社でも通用する技術といえるのです。
通常の建設会社であれば、入社後一定期間を通じて計画的に免許所得を後押ししてくれる筈ですから、就職しようと考えている人たちは一生涯をこの業界で働くのだという気持ちを強くして、各種資格取得にチャレンジしていけばよいのだと考えます。
前田氏に聞く!建設会社って給料はいいの?
最後に、この業界を志す者としては、やはりサラリーの件に触れないわけにはいきません。
サラリーに関していえば、一般的には他の業界、たとえばサービス業界と比較して、初任給は高く設定されているように思われます。
一般的には危険業務負担という名目で賃金が高く設定されていますから、最初は高いのです。
では、その高い賃金がいつまでも高いかということについては、賃金カーブの上昇が比較的ゆるやかであることからいっても、必ずしも高い上昇を描くわけではありません。
やはり5年目、10年目と管理監督者的なポジションを獲得しないことにはサラリーは上がっていかないシステムになっているようなのです。
サラリーが当初を高いということにあぐらをかき、若いころのサラリーマンの通常積むべき努力・研鑽を怠っていますと、中高齢となりますと厳しい現実を突きつけられることになるのです。
建設業界に限らず、やはり自己実現のための努力・研鑽は欠いてはいけません。
会社から与えられるカリキュラムだけでなく、自身でカリキュラムを開拓し能力開発を行っていく姿勢こそが求められると考えてよいのです。
以上、信和建設株式会社の前田裕幸社長にいろいろと聞いてみました。
最終更新日 2025年5月20日 by derevellers