金属加工に溶接は欠かせませんが、アーク溶接やレーザー溶接と比較して様々なメリットがある溶接方法が電子ビーム溶接です。
溶接作業と聞いてよく想像されるのがアーク溶接です。
目と手を保護するために遮光マスクと革手袋を装備し、アーク溶接機と溶接棒を持って鉄板と鉄板の境目に溶接棒をあてながら溶接をしていくのです。
このアーク溶接は電気の力によって溶接しています。
アーク溶接機によって電流を発生させ、その電流の熱を使って金属を溶かして接着させています。
しかし、この方法では異なる素材同士を接着させることが出来ないといったデメリットがあるのです。
一方、電子ビーム溶接は電流ではなく電子エネルギーを使って接着します。
専用の電子ビーム溶接機のなかで陰極をフィラメントで加熱すると熱電子が放出されます。
この熱電子を電圧差で作った電磁場によって加速させつつ溶接を行いたいものに衝突させ、その衝撃によって生まれる発熱を利用するのです。
電子ビーム溶接には様々なメリットがあります。
異なる金属素材でも接着できることやタングステンをはじめとする高融点素材も溶接可能です。
さらに、溶接時に生じるビードが細く目立たないことや溶接スピードが速いことなども大きなメリットです。
私もDIYでアーク溶接を行っていますが、作業場所を確保することや装備を調えることなど準備自体に手間が掛かってしまいます。
また、溶接作業を何度も繰り返していますがなかなか上達しません。
その結果、溶接が甘く接着したつもりがすぐに外れてしまったり、ビードが目立って外観が悪くなってしまっているのです。
溶接が甘いのはやり直せば済むのですが、ビードはヤスリで削って修正することに莫大な労力と時間が掛かります。
そこで、今は電子ビーム溶接を利用すること考えています。
個人では不可能なので企業に依頼することになりますが、サンプルを見せてもらうとその美しい仕上がりに驚きました。
今は相談中ですが、近いうちに依頼するつもりです。
※電子ビーム加工より引用
最終更新日 2025年5月20日 by derevellers